FOAM 発泡材

発泡材の種類

発泡材とは、合成樹脂の中にガスを細かく分散させて軽量かつ弾性を持たせた素材のことです。一般的に原材料として、「ポリエチレン」「ポリスチレン」「ポリプロピレン」「ポリウレタン」を使用したものが多く利用されています。発泡材は使用する原材料や発泡方法によって特性も異なり用途に合わせた素材選びが重要です。
たとえばマルイチの代表的な製品では、ポリエチレンを押出発泡させた旭化成サンテックフォーム®を使用したロールマット、ビーズ発泡させたカネカのエペラン®を使用したロジボードが挙げられます。ロールマットに使用しているサンテックフォーム®は気泡が多く、クッション性に優れているため押し付けられたときの回復性が高い緩衝材です。一方、ロジボードに使用しているエペラン®はビーズ同士が密着しているため曲げに強く吸収力が高い緩衝材です。
このように発泡材は製法によって特性が変わるため、適材適所にあわせたものを使用することをおすすめします。

下記の図は発泡材の代表的な二つの製法、「押出発泡法」と「ビーズ発泡法」で製造された発泡材の種類を紹介しています。

発泡材の作り方

発泡材の製造には、様々な方法があります。代表的なものは、前述した「押出発泡法」と「ビーズ発泡法」です。その二つの方法で作られる発泡材の特徴的な違いは弾力性です。ここでは「押出発泡法」と「ビーズ発泡法」の製造工程を詳しく見ていきましょう。

押出発泡法

押出発泡法は、原材料と発泡添加剤を溶融した液体を押出し機によって連続的に押し出して発泡させる方法です。まず、原材料と発泡添加剤を特殊な高圧設備を取り付けた押出し機で溶融し、液状にした混合物を作ります。それをクーラー先端ノズルから常温、常圧へ送り出す際の発泡添加剤の瞬時の気化力を利用して発泡させながら金型から連続的に押し出して製造されます。押し出された発泡体はサイジングユニットを通して成形された後、冷却槽で徐々に冷却されます。カッターにより裁断された発泡材は寸法を安定させるために一定期間乾燥させた後、出荷されます。

押出発泡材の特性

押出発泡材は気泡が蜂の巣状になっているためクッション性が高いことが特徴です。輸送用緩衝材、主にロールマットに使用される旭化成サンテックフォーム®をはじめとするポリエチレンフォームだけではなく、一般的によく目にするクッションの中身やスポンジなどのウレタンも押出発泡材の一種です。その倍率や材質により、断熱材、緩衝材など様々な用途に使用されています。

ビーズ発泡法

ビーズ発泡法とは、原材料となる原料ビーズに発泡添加剤のガスを注入し、熱により発泡させる方法です。まず、発泡添加剤を注入した原料ビーズに蒸気をあて、予備発泡させます。予備発泡させて大量の空気を含んだ「発泡ビーズ」を金型に充填し、もう一度、蒸気をかけて発泡させます。こうして、膨らんだビーズ同士が熱で癒着し、成形されビーズ法発泡材が出来上がります。
ビーズ法発泡材としての発泡倍率は主に約15~60倍です。高倍率なものほど多くの空気を含むので、緩衝性が高く軽量な発泡材が出来上がります。原材料もコストも抑えられることが特徴のビーズ法発泡材ですが、原材料に多くの空気を含ませる技術は非常に高度です。安価な高倍率ビーズ法発泡材は、日本の高い技術力の賜物なのです。

ビーズ発泡材の特性

ビーズ発泡材は発泡したビーズ同士が密着しているため、クッション性が低めで硬質という特徴があります。ビーズ発泡というと一般的に馴染みのあるものではポリスチレン製の発泡スチロールが連想され、形状回復性が低いイメージもありますが、形状回復性は材質によるところが大きく、ポリエチレンを原材料にした、㈱カネカ製のエペランは高い緩衝性、形状回復性を持っています。