キャスパー3rdジェネレーション試作品紹介

2021-7-15

以前のブログにて、開発進捗状況をご紹介しました「キャスパー3rdジェネレーション」ですが、つい先日、新しい試作品が完成致しました。こちらが届いたばかりのキャスパー3rd Lサイズ試作品です。

キャスパー3rdLサイズ試作品 見た目は全て同じに見えますが、それぞれ仕様が違います

キャスパー3rd Lサイズ試作品 見た目は全て同じに見えますが、それぞれ仕様が違います


 

左:初期試作品 右:新しく製作した試作品

より滑り止めの効果を上げるために、裏面のスリットを6本から7本へ増やしました


 

今回は、キャスパー3rd Lサイズの使用感を比較するため、仕様が異なる3種類の試作品A,B,Cを製作しました。

試作品A_ゴム硬度:70 紐通し穴径:5φ

試作品B_ゴム硬度:90 紐通し穴径:5φ

試作品C_ゴム硬度:90 紐通し穴径:4.2φ
 
まずご紹介するのは、「ゴム硬度」に差をつけた試作品AとBです。ゴム硬度とは、ゴムの硬さを数値化したもので、数字が大きい程、変形しづらい硬いゴムとなります。
 
左:試作品A_ゴム硬度:70度 右:試作品B_ゴム硬度:90度

左:試作品A_ゴム硬度:70度 右:試作品B_ゴム硬度:90度

左:試作品A(ゴム硬度70度) 右:試作品B(ゴム硬度90度)


 

試作品Aは、Bよりもゴム硬度が低く、柔らかいので、持ち上げると自重で大きく変形しているのが分かります。

キャスパーにとって、ゴムの硬さはとても重要です。ゴムが柔らかすぎると変形しやすいため、少しの衝撃でキャスパーのリングが開き、キャスターから外れてしまいます。しかし、逆にゴムが硬すぎると、キャスパーが開きづらいため、キャスターへの着脱がスムーズにいきません。現在は、試作品A,Bでトライアルを重ね、キャスパー3rd Lサイズが扱いやすいゴム硬度を検証しています。

 

キャスパー3rd Lサイズ オープンリング方式による簡単脱着

キャスパー3rdジェネレーション オープンリング方式による簡単脱着


 

キャスパー3rdは、紐を引っ張ることで簡単にキャスターから外すことができる、オープンリング方式を採用しているため、本体の周りに紐を通す必要があります。その紐を通す穴の大きさに差をつけたのが、試作品BとCです。
 

左:試作品B(紐径5φ) 右:試作品C(紐径4.2φ)

紐通し穴 左:試作品B(穴径5φ) 右:試作品C(穴径4.2φ)


 
キャスパー全体に紐を通したら、紐が抜けないように結び目を作ります

紐を通したキャスパー3rd Lサイズ 紐が抜けないように結び目が作られています


 

オープンリング方式のキャスパー3rdは、勢いよく紐を引っ張ってキャスターから外すため、紐を通した穴が大きいと、結び目が穴に掛からず、キャスパーを残して紐だけ抜けてしまいます。かといって、穴を小さくしてしまうと紐がうまく通らなくなり、工場で一つ一つ手作業で行なっている紐通し作業に支障をきたします。紐通し穴の大きさは、一見些細な違いに見えますが、キャスパー3rdの性能や製造時間にも大きな影響を与える重要なポイントです。こちらも現在は、試作品でトライアルを行ない、穴の大きさを調整中です。
 
最後に、キャスパー3rd Lサイズをスムーズにキャスターへ装着するため、工夫したポイントをご紹介します。
 

キャスパー3rd裏面 角部分のみ一段ずらすことで、床との接触を防ぎます


 
角形状部分だけ一段上の構造になっているため、床面と接触しません

キャスパー3rd側面 側面から見ると角部分が床に接してないのがよく分かります


 

キャスパー3rdは「PUSH IN方式」により、足でキャスターに押し当てて装着するため、角部分が床面に接触しないよう、角部分を一段高い構造にしました。これにより床面との接触を防ぎ、キャスターへのスムーズな装着が可能になりました。
 
大好評発売中のマルイチのキャスターストッパー「キャスパー1st」「キャスパー2nd」に負けない商品にするため、今回ご紹介した3種類の試作品を活用して、キャスパー3rdの開発を進めて参ります。「PUSH IN方式」と「オープンリング方式」を採用した最強キャスパー「キャスパー3rdジェネレーション」は、年内の発売予定です。発売時期などの情報については、ブログにてご紹介していきますので、今後の更新をご期待ください!